トライアスリートがトレーニングを行う際に欠かすことのできないサプリメント。一般の人は仕事へ行く前や仕事から帰った後など、限られた時間でトレーニングを行うことが多く、その効果を上げるためにも摂取している人も多いのではないでしょうか?しかし、このサプリメント、いつ飲めばよいのでしょう。トレーニング前、トレーニング後、または朝起きてすぐ、寝る前、食前、食後などタイミングは様々です。そこで今回は、サプリメントを摂取するタイミングについて紹介していきます。興味がある人は参考にしてみてください。
アミノ酸の中でも最近、注目を集めているのが「BCAA(分岐鎖アミノ酸)」。バリン、ロイシン、イソロイシンの総称で、この成分は人の体では生成することができないが筋タンパク質の中にたくさん含まれていることから多くのトライアスリートの中でも話題になっています。
このBCAAをトレーニングをする前に摂取することにより、血中と筋肉中のBCAA濃度が上昇し、筋タンパク質の分解が抑制されます。またBCAAの1つであるロイシンは、膵臓から分泌されるインスリンを促進することで、筋タンパク質の合成を促す効果も。このようにBCAAはトレーニング前に摂取すると筋肉を効率的に作ることができます。
摂取するタイミングとしては運動をする30分前までに摂るようにしましょう。また長時間にわたってトレーニングを行う場合はトレーニング中にこまめに摂取することで疲労軽減の効果を持続させることができます。
健康のために行うゆっくりとしたランニングとは異なり、トライアスリートを目指す人が行うようなトレーニングを行う場合、体の中にエネルギーがない状態でトレーニングをしてしまうとエネルギーを作るために脂肪ではなく筋肉を分解してしまうので、トレーニングを行うことで逆に筋肉が収縮し、減少してしまうことが考えられます。その結果、基礎代謝が下がってしまい、太りやすい体型になってしまうことも。しかし、プロテインを摂取することで筋肉の分解を抑制することが可能です。
トレーニング前に摂取することで筋肉を効率よくできると紹介したアミノ酸「BCAA」ですが、トレーニング後に摂取すると運動による疲労軽減効果があるのでおすすめです。トリプトファンという物質が血液によって脳まで運ばれることで人間の体は疲労を感じるようにできています。これは血中のBCAA濃度が低下し、脳でのトリプトファンの取り込みが増加することが原因です。そのため、BCAAを摂取して血中のBCAA濃度を上げてやれば、疲労の予防や軽減ができるということになります。
回復のゴールデンタイムと呼ばれるトレーニングを終えてから30分以内に摂取するのがおすすめです。
トレーニングを行うと体の筋肉細胞が一度、破壊され、破壊された細胞は、次は壊されることがないようにとより強い筋肉細胞となります。これを繰り返すことで筋肉はどんどんと大きくなっていくのです。これをより効果的にしてくれるのがプロテイン。プロテインに含まれているたんぱく質は、トレーニング直後は分解されやすい状態となります。分解されても十分なたんぱく質をキープするためにもプロテインは重要な役割を果たしているのです。日頃の食事でしっかりとたんぱく質を摂取しているつもりなのに、なぜか疲労感が取れないという人は、1度、プロテインを飲んでみてはいかがでしょうか?
ここまでトレーニングの前や後のサプリメントの摂取についてみてきましたが、レースの本番とは違いがあるのでしょうか?確認していきましょう。
トレーニングのところでも紹介しましたが、「BCAA」をはじめとするアミノ酸には、筋肉細胞を分解するのを抑制する効果に加えて、疲労回復の効果があります。ですので、レース前に摂取することで競技中の疲労度を軽減することが期待できます。
マグネシウムは、身体の運動機能と密接な関係があることで有名。筋肉や神経を健康に保つ効果のほか、食べた物を活動のエネルギーに変える体内酵素の働きをサポートするなど、エネルギーの産生や疲労回復において重要な役割を担っており、運動で多く消費される栄養素の1つとなっています。このマグネシウムは、汗をかくことによってどんどんと消費し、マグネシウムが足りなくなってしまうと痙攣や腹痛などの体調不良に見舞われてしまうので注意が必要。ですので、過酷なレースとなることが多いトライアスロンの大会ではしっかりとマグネシウムを補給しておくことが重要です。
レースの1週間ほど前から練習量を減らし、グリコーゲンの無駄な消費を抑え、3日前からグリコーゲンの元となる炭水化物を多めにした食事にすることで体内のグリコーゲンを最大限に貯め込む「カーボ・ローディング」という調整法がトライアスリートの中では有名です。3日前からは食事の70%を炭水化物に置き換え、1日当たりの糖質の量は400~700gほど。ご飯を茶碗1杯(150g)に含まれる糖質が55gなので、かなりの量を摂取しなければなりません。このように糖質というのは、トライアスロンの大会において重要な成分だということを知っておきましょう。ただし、あまり無理をしてしまうと当日に体調を崩してしまい、パフォーマンスが落ちてしまうということも考えられるので、無理のない範囲で行うようにしましょう。
トライアスロンのレース後は通常のトレーニングの後とは異なり、体がかなり疲弊してしまっています。そのため、しっかりとケアしておかないと疲労感が抜けなかったり、体が重く感じるといった症状に見舞われることも珍しくありません。しかし、サプリメントなどでレース後に不足してしまっている成分を補ってやれば疲労感が残らず、次の日から体が軽いということもあります。
不足しがちな成分のトップは炭水化物。レース後、3~5時間の間に自分の体重(kg)×1.0~1.2gの炭水化物を毎時間、摂取するのがおすすめ。またレース後24時間以内には自分の体重×8~10g程度の炭水化物を摂るようにしましょう。
次にたんぱく質ですが、こちらは競技終了後、2時間以内に自分の体重×0.3gほどの摂取が目安となります。さらに疲労軽減の効果があるアミノ酸も積極的に摂取するようにしましょう。
いかがだったでしょうか?アミノ酸やプロテインをはじめとするサプリメントをトレーニングを行う前や終わった後、トライアスロンのレース直前や直後に摂取することでどのような効果が得られるのかが分かったと思います。今回、紹介したのは一般的なトライアスリートの事例で、体の特徴はそれぞれ異なるため、自分の体にあった調整や管理をすることが重要です。色々なパターンを試しながら自分にあったサプリメントの摂取方法を見つけ、体を鍛えながら、万全の状態でレースに出場できるよう頑張ってみてください。
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