人間の筋肉の中でも最も大きな面積を占めている大胸筋。その中の大胸筋下部に効かせられるトレーニングとして、デクラインダンベルプレスがあります。正しいやり方を実践することで、効率よく大胸筋に刺激を与えられます。今回は、デクラインダンベルプレスの正しいやり方やコツを詳しく解説します。
大胸筋を鍛えるトレーニングと言えば、ダンベルプレスやプッシュアップなど有名なメニューがありますが、中でも大胸筋下部を鍛えられるトレーニングには、デクラインダンベルプレスがあります。
「デクライン」というのは、ベンチや椅子を使用し、あおむけになって傾斜を付けた状態で行うトレーニングのことを意味しています。その為、デクラインダンベルプレスでは、傾斜を付けた状態でダンベルプレスを行うことになります。 デクラインでは頭が足よりも低い位置に来ることになりますが、反対に頭が足よりも高い位置に来るトレーニングもあり、これはインクラインと呼ばれています。インクラインダンベルプレスも、大胸筋に効くメニューとして知られています。
そんなデクラインダンベルプレスでは、まず大胸筋を鍛えることが出来ます。その中でも特に、大胸筋下部と言われている部分に効果的とされており、デクラインダンベルプレスを継続して取り組むと、後に詳しく解説する通り、腹筋と胸筋との境目がハッキリと出てきます。 メインターゲットとしては大胸筋なのですが、サブターゲットとして上腕三頭筋も鍛えられます。上腕三頭筋は肘関節を伸ばす際に使われる筋肉ですので、デクラインに限らず、ダンベルプレスでは胸筋と合わせて鍛えることが可能です。 この上腕三頭筋は、腕を構成している筋肉の中でも最も大きいとされていますので、デクラインダンベルプレスで太くがっしりとした腕を作るということも不可能ではありません。
デクラインダンベルプレスで鍛えられるのは主に大胸筋、次いで上腕三頭筋となっている訳ですが、主な鍛錬の効果として、腹筋と胸筋との境目が明確になることが挙げられます。大胸筋下部は腹筋の真上に位置していますので、鍛えて胸板を厚くすることで、ハッキリと分かれ目が分かるようになるのです。 腹筋を構成している筋肉の中でも、前面に位置している腹直筋は鍛えても大胸筋ほど肥大化するわけではありませんから、胸筋が盛り上がり、腹筋は引き締まった見栄えの良い上半身の獲得を目指せるという訳です。
この様に、デクラインダンベルプレスは大胸筋を鍛え、ボディメイクの為のトレーニングとしてもとても効果の高いメニューとなっています。続いては、実際にデクラインダンベルプレスに取り組む際の正しいやり方を解説していきます。
得たい効果を得るには、まずはフォームを覚えることから入りましょう。まず、ベンチプレスを行う際のベンチの角度は30度から45度あたりになる様に調整してください。角度が急になればなるほど負荷が高く、ゆるくなれば弱くなります。 初心者の方はは30度から始めることを推奨します。角度を設定したら、ベンチにあおむけになって両手でダンベルを握ります。この際、頭と肩甲骨、お尻をベンチにしっかりとくっつけてください。
セットポジションが完成したら、ボディプレスの準備が完了しましたので、ダンベルを持ったひじをゆっくりと曲げて降ろしていきます。重力の力だけで下げるのではなく、腕でしっかりと支えながら降ろすことで、胸筋にしっかり効かせられます。 胸筋下部の位置までダンベルが下りてきたら、力を入れてダンベルを上に戻していきます。最初に構えていたセットポジションまで戻したら、またゆっくりと下げていくのを繰り返し、1セット10回から15回取り組んでみましょう。
以上、デクラインダンベルプレスのフォームと正しいやり方を解説しました。当然ながら、重力に従うように漫然と取り組むのではなく、意識するべきところに注意をしながらダンベルを降ろすことで、よりトレーニング効果を高めることが出来ます。
1つ目は、呼吸を意識することです。ダンベルプレスに限らず他のトレーニングメニューでも共通して大切なコツになりますが、デクラインダンベルプレスに慣れていないと、通常のダンベルプレスと同様、上げるのが難しく感じられます。 そこで意識するのが呼吸法です。ダンベルを持ち上げていくときに息を吐いて、手元に降ろしていくときに息を吸うようにするのが基本となります。引き寄せるタイミングで息を吸うことで、血液中の酸素濃度が上がってダンベルを持ち上げやすくなるのです。
2つ目は、ダンベルの軌道を安定させた状態にすることです。これも慣れていないうちは、持ち上げているダンベルが左右に揺れてしまったり、腹筋方向へ下がってしまったりと安定しません。大胸筋にしっかり刺激が伝わっていないと感じる場合、特にブレている可能性が高いです。 正しい軌道としては、常にダンベルが胸の真上から真横に水平の状態を維持している筈です。右や左に腕が傾いてしまっていると、本来大胸筋に行くはずの刺激が逃げてしまいますので、腕と地面を垂直の状態に保つことを常に意識しましょう。 それでもどうしてもブレてしまう場合、筋力が不足しているかダンベルの重さがあっていない可能性がありますから、一度見直してみましょう。
3つ目は、肩甲骨を寄せる意識です。ダンベルベンチプレスなど、ダンベルを使用して胸筋を鍛えるトレーニングのほとんどに共通するポイントというのが、肩甲骨を寄せ、胸を張った状態を維持することなのです。 筋肉というのはすべからず収縮させることで鍛えられる物であり、肩甲骨を寄せて胸を張れば大胸筋が収縮し、ストレッチを最大化させることが出来ます。ダンベルを持っている最中は、常に肩甲骨を寄せるイメージを持ち続けましょう。
デクラインダンベルプレスで設定するべき重量は、10回から15回前後で上げ下げが出来なくなる程度と言われています。これよりも軽い重量でトレーニングをしたとしても、十分に大胸筋に刺激を与えることが難しくなります。 逆に、効果的に負荷をかけようとして、重量を加えてのダンベルプレスは避けるべきです。目標の回数をクリアするのが困難になるのはもちろんのこと、フォームが崩れて刺激が加わらず、怪我につながるリスクもあるからです。重量設定は事前に十分に吟味しましょう。
もしも毎日やりたいというのであれば、負荷が軽めの重量、つまり10回から15回よりも多く持ち上げられる程度の重量で取り組んでみましょう。負荷を軽くすれば筋肉痛になるリスクも少なくなりますし、毎日やっても怪我をする可能性が減らせます。 ただし、重量を意図的に適切なものに設定しない以上、筋肥大を狙う場合には一日ごとの効果が薄い点に注意して下さい。また、胸筋部分に無視できないレベルの筋肉痛を感じている場合には、トレーニングは避けたほうが賢明です。 筋肉痛があるままでトレーニングをしては、思わぬ怪我につながりかねません。毎日できないわけではありませんが、筋肉との相談が不可欠です。
短時間で胸筋に高い負荷をかけるのがデクラインダンベルプレスですので、無理なく自分に合った重さとペースで取り組むのが大切です。最後に、大胸筋を鍛える筋トレにお勧めのダンベル製品を3点ご紹介しましょう。
重さを調整可能なアジャスタブルダンベルです。ダイヤルで簡単に重量を調整することができ、プレートを付け替えることなくすぐに設定できます。2.5㎏から最高で24㎏まで幅広く、コンディションやトレーニング内容に合わせられます。
続いても重量可変式のダンベルになります。2㎏刻みで最軽量2㎏から最高32㎏まで、都合16段階の幅広い調整を行うことができ、グリップを回すことで簡単に重量を変えられますので、種目などに合わせて素早く重量設定が可能です。
最後はコンパクトサイズのダンベルになります。こちらもコンパクトながら重量可変式となっていて、2.5㎏から25㎏まで6段階の調整を行えます。ゴムリング付きで、床を傷つけることもありません。
デクラインダンベルプレスは、大胸筋の輪郭をハッキリとさせてメリハリのある上半身を形成するのに非常に効果的なトレーニングです。正しいフォームで、ぜひ分厚い大胸筋になれるよう鍛えてみてください。