ミリタリープレスは、肩にある三角筋という筋肉を効率的に鍛えられるトレーニングです。肩幅を広くして、男らしい横幅を作りたい方にとっては是非実践してもらいたいメニューとなっています。今回は、ミリタリープレスを効率的に行う方法や注意点などについて解説します。
ミリタリープレスは、重量のあるバーベルを使って行うトレーニングになります。主に鍛えられるのは、肩にある三角筋という筋肉で、三角筋も主に3つの筋肉によって構成されています。 まず前部は、腕を押し出す動作の際に使用されます。続いて中部は、腕を上に挙上する動作の際に用いられており、もう1つの後部は腕を体の方向へと引き戻す動作の際に使います。 ミリタリープレスの中での動作としてはバーベルを上に持ち上げるのがメインになってきますので、三角筋全体を鍛えられるのはもちろんですが特に前部と中部の2か所を集中的に鍛えられるようになっています。
背中の筋肉を鍛える事が出来るミリタリープレスは、三角筋を中心として全身の筋肉にも刺激を行き渡らせることができます。効果を挙げるとすると、主に3つが挙げられます。
まずは、丸くて大きく分厚い方を作れるという効果が挙げられます。基本的には肩にある三角筋を鍛えられるトレーニングになっていますので、最も刺激が行くのは三角筋であり、肩を中心に分厚い筋肉を形成できます。 加えて、三角筋の周辺の筋肉にも刺激が行きます。例えば大胸筋なども使うトレーニングとなっていますので、分厚い胸板を形成し逆三角形を作り出す上半身を鍛え作り出せるのです。 また、女性であれば肩周辺をミリタリープレスによって鍛えることで、背中を引き締められよりくびれのあるボディラインを作り出し、メリハリのあるラインが出来がります。
続いてあげられるのが、体幹の強化です。体幹、インナーユニットやインナーマッスルなどとも呼ばれている、体の内側にある筋肉の一種である横隔膜や腹横筋、多裂筋といった筋肉も、ミリタリープレスによって鍛えられます。 この体幹というのは、ミリタリープレスだけではなくすべてのトレーニングに関係してくる筋肉です。よって、ウェイト周辺のシフトアップはもちろんの事、全てのトレーニングのパフォーマンス向上にもつながります。
体幹の強化からも繋がっている効果ですが、体の使い方が上手になるという利点もあります。ボディメイクに関しても当然関係してきますが、体を使うスポーツや運動など様々な事柄において身体能力のパフォーマンスが上がります。 加えてミリタリープレスというのは、実際のトレーニングは立った状態で行います。よって上半身だけではなく下半身の筋肉も当然必要になってくるので、必然的に上、下半身の上手な使い方も身についてくるという訳です。
三角筋を中心として鍛えられるトレーニングである事は間違いありませんが、そのほかにも体幹を含めた様々な効果が見込めます。ここからは、実際のミリタリープレスの効率的なやり方について解説していきます。
実際のミリタリープレスの実践の流れは、上記の通りとなります。使用するバーベルの重さに関しては平均的な体格の男性ならば30㎏から40㎏程度を目安として選択します。 もし実際に行う中で体が反ってしまうようであれば、危険ですので少し重量を下げるなどして調整してください。無理をすると当然けがをする恐れがありますから、重量を軽くしてでも正しいフォームを維持して取り組むのを優先しましょう。
ミリタリープレスと似たようなトレーニングにショルダープレスというものがありますが、ショルダープレスの場合にはダンベルを用いる場合が多いのでその点が最も違っていると言えます。
まず平均的な重量に関してですが、先に少し触れている通り平均的な体格と体重の人であればバーベルは30㎏から40㎏程度が平均となります。ただし、これはあくまでも目安であって、体格なども個人差があるのは当然の話です。 筋肉量などに関しても同じく人によって違っていますから、無理をして平均に合わせたりしようとすると不適切な重量で怪我につながる恐れがあります。よって、重さの負荷よりも正しいフォームを維持する方を優先するのが大切となります。
続いて回数についても、重量と同じく最適な回数は筋トレをなぜ行うのかによって異なってきます。筋力をアップさせるのが目的であるのならば1回から6回程度、筋肥大を狙うのならば6回から12回程度が目安となります。 そして、筋持久力アップであれば15回ほどで限界の来る重量で行うのが良いとされています。ただ、筋肥大を目的としている場合には軽い重量で回数を増やした場合でも同じ効果が得られます。 セット数に関しても、トレーニングを行う際のレベルによって違いがあります。初心者であれば週1回の3セット、経験していて上級者であれば週2回の6セットが推奨されています。
バーベルを使用するトレーニングである以上、回数や負荷に関しては自分にマッチしている形で調整を行うことができます。効率をより高めたいと思うのであれば、正しいフォームを維持するのはもちろんの事、コツをしっかりと押さえるのも重要です。
まず、反動は使用しないでトレーニングを行ってください。これはミリタリープレスに限らずすべてのトレーニングに言えることですが、トレーニングにおける反動を利用することをチーティングと言います。
筋力がまだしっかり身についていない時や疲労によって筋力が低下してきたとき、バーベルを正しいフォームで持ち続けるのは難しくなってきます。勿論辛いのは誰でも同じですし、全身の反動を使いたくなる気持ちも分かります。
しかし、これでは三角筋やその他の筋肉に正しくアプローチを仕掛ける事ができなくなるのです。肘や背筋などを使用すると他の部位へと刺激が分散してしまうので、ゆっくりと上半身の筋肉で持ち上げられるようにしましょう。
続いては、腰を反らさない事です。ミリタリープレスを実践する上では、ウェイトを支えを使用したりせず全身を使って維持することになります。特に上半身を支えている腰にある脊椎部分については、動作中は常に負荷をかけています。
有名なトレーニングであるデッドリフトなども全身で引く動作を行う中で腰に負荷がかかるように、ウェイトを体1つで支えるミリタリープレスでも全身で荷重を受け止める以上腰への負担は大きいものです。 基本的に腰は曲げない事、反らさない事を意識して、背中と腹筋に力を入れて守り続けましょう。他の種目で腰が出来上がっている場合は胸を張って若干腰にアーチができますが、初心者の場合には必ず真っすぐを意識します。
もう1つ、伸ばす際に肘を伸ばし切らないようにもしましょう。まずバーベルを持つときの手は肩幅かそれよりも若干広めにして、三角筋前部の可動域を広げるようにするのがポイントとなっています。 ここで幅を狭くしているとうまく三角筋方向に刺激が行き渡らず、その前にある肘部分に集中的に負荷がかかってしまいます。
わざと幅を狭くするトレーニングもありますが、それは上級者向けです。 そして肘を伸ばし切らないのは、伸ばし切った時に肘の関節で重りを支えることになるからです。こうなると筋肉で支えている訳ではないので負荷を薄めてしまいますし、肘の怪我のリスクも出てくるので控えましょう。
例えばパワーラックがあると、バーベルを自分の好きな高さに設定して必要以上に落ちてこないようにできます。バーベル事倒れると怪我をする恐れがありますので、安全という意味でも活用したいところです。 トレーニングベルトがあると腰を保護して体幹も安定しますし、更にリストラップを使用すると手首の関節を保護してくれますから、色々と活用してみましょう。
三角筋を中心として鍛える事が出来るミリタリープレスですが、女性でも理想的なボディラインの形成などに効果的なトレーニングです。是非とも今後のメニューに取り入れてみてください。