腹筋を鍛えるトレーニングは、男性女性問わず人気が高く、メジャーなメニューです。自宅でもできるトレーニングはありますが、ジムでしかできない、効果的に鍛えられるトレーニング方法があります。本記事では、トレーニングジムで腹筋を効率よく鍛える方法をご紹介します。[toc]
腹筋というのは、いくつかの筋肉によって成り立っています。腹直筋、腹横筋、腹斜筋という3つの筋肉で構成されていて、腹部を取り囲む筋肉の総称が腹筋と呼ばれています。腹直筋は体前面に位置する腹筋の代表格で、体幹を曲げたり、骨盤を引き上げる役割を持ちます。 腹横筋は体の内部にあるインナーマッスルと呼ばれる部類の筋肉で、この部分を鍛える事で代謝を向上させられます。腹斜筋は腹部横に位置しており、内蔵の位置の安定化やくびれを形成する筋肉でもあります。 腹筋を鍛えるトレーニングと聞くと、腹直筋を鍛えるメニューが思い浮かびがちですが、このように部位別に鍛える事で、体のバランスを整える事が出来るのです。
この様に、単にシックスパックを作りたいから腹直筋だけを鍛えるのではなく、インナーマッスルである腹横筋、サイドに位置する腹斜筋も併せて鍛えるべきです。ここからは、ジムでできる腹筋を鍛えるメニューを、部位別にご紹介していきます。
まずは腹直筋を鍛えるメニューからで、1つ目は「アブドミナル」です。床にお尻を付けて行う上体起こしと似たやり方で実践できるメニューになりますが、おもりを使って負荷を調整出来たり、背もたれも使ってサポートが受けられます。 マシンにはバーを握った時の肘が直角になる様に座り、へそを中心として息を吐き出しながら体を丸めていきます。次にゆっくりと息を吸いながら、体をもとの位置に戻していきます。まずは15回を目安に取り組んでみましょう。
腹直筋にしっかりと負荷をかけるために、ハンドルを握っている腕はできる限りリラックスさせましょう。同様に、足も踏みしめすぎずに下半身の力を抜いて下さい。腰の痛みが出るようであれば、一度フォームを確認してみましょう。
続いて2つ目は「ケーブルクランチ」です。こちらはジムにある大きめの器具を使って行うトレーニングであり、おもりにつながっているケーブルを握り、膝立ちをした状態から状態を前に傾け、耳の位置までロープを持ってきます。 そのまま大腿筋を目指すように上体を腹筋の力で下ろしていき、限界まで下げられたら少しだけその状態で止まります。後はゆっくりと元のポジションまで戻していく、という動作を1セット10回、3セットを目標に取り組みます。 おもりを使うメニューの為、腹直筋や背筋も鍛えらえます。肘は開かずにしっかりと下げ、背中を丸めないようにまっすぐのままでキープするよう意識しましょう。
3つ目は「ハンギングレッグレイズ」です。鉄棒などを使って行うメニューであり、ジムではチンニングマシンを使用します。足のつかないチンニングマシンを使い、肩幅程度の感覚でグリップを握ります。 そこから両足をまっすぐに伸ばしてそろえた状態で、体を90度になる様に足の方を曲げていき、直角になったところでキープ、その後ゆっくりと足をもとの位置に戻していくまでを1回として、ケーブルクランチと同様に1セット10回の3セットを目指します。 このメニューは、腹筋全体が鍛えられます。あくまでも腹筋を鍛えますので、腕に力を入れない事、振り子のように体を動かさずにお尻を下げる事、反動を使わないでゆっくりと取り組むようにしてください。
腹直筋の次は、腹斜筋を鍛えるメニューになります。体の前面にある腹直筋とは異なり両サイドに位置していますので、ひねりの加わっている動きでアプローチをするトレーニングが多いです。
1つ目は「トーソローテーション」です。ジムにある専用の器具を用いて行うトレーニングであり、台座に膝をついて立ち膝の状態になって、体を半分ひねって上にあるパッドに両肩を押し付けます。手でグリップを握り、下半身だけで体を正面に向けるように動かし、腹斜筋に刺激を与えます。 器具の使い方上、片一方ずつの腹斜筋に負荷をかける形となります。一度に両方とも刺激を与えられるわけではありませんので、両側を交互に行います。1セットの目安を10回から12回程度に設定し、左右とも3セットずつを目標にします。
ダンベルだけでできる簡単なトレーニングであるサイドベントを、より負荷をかけられるようにしたものが「ケーブルサイドベント」です。片方の手でケーブルを握り、もう片方は後頭部に置いて、足も片方膝を曲げて肩幅より少し開き、負荷に備えます。 マシンが横に位置するように立ったら、上半身をマシン方向へ45度傾けた後、反対に同角度ケーブルを引いていきます。引くときには腕の力ではなく、上半身、ひいては腹斜筋を中心に使いましょう。骨盤の位置、姿勢が崩れないように意識してください。
薪割りのような動作で行う「ケーブルウッドチョッパー」は、ジムのケーブル器具を使う事で高負荷をかけられます。マシンを背にしてケーブルを両手で握って立ち、足は肩幅ぐらいに開いた状態から、手を頭上から振り下ろすような動作で負荷をかけていきます。 この際、手は肩から反対側の脇腹に向かって持っていくような意識で動かしましょう。腕、背中などの筋肉にも刺激を与えられます。これも他のメニューと同様、腕の力ではなく上半身全体を使ってケーブルを持っていきます。
最後に、腹横筋のトレーニングメニューのご紹介です。インナーマッスルに該当する腹横筋は、他2つのような派手なやり方とは異なり、じっくりと内部に刺激を与えるメニューを行うことになります。
1つは「加重プランク」で、こちらは特別に器具を使う必要が無いメニューです。マットの上にうつぶせの状態で両肘をつき、足はつま先立ちにして体を支えます。このまま肩から背中、足に至るまで一直線をキープし、体幹となるインナーマッスルに刺激を与えます。 ジムで行う事も出来ますが、器具を使わないために当然家で行っても良いトレーニングです。慣れないうちはじっと耐えるのに集中しますが、上級者になると足を動かすなどして、より腹横筋に高い負荷をかけるやり方を取っています。
もう1つ「アブローラー」でも鍛えられます。真ん中にローラーがあり、両端にハンドルがある専用のエクササイズ器具を使って行うメニューであり、これを前方に転がしてから戻すことで腹横筋に刺激をかけられます。 初心者の場合はまともに引き戻すのも難しいので、膝をついたまま倒れ込むように転がすだけでも良いです。慣れてきたら膝をついたままで引き戻す動作まで取り入れますが、かなりの労力を要する為、10回行うだけでも相当の負荷を感じられるはずです。
以上、腹直筋、腹斜筋、腹横筋それぞれに効果的な、ジムで行えるトレーニングメニューを解説してきました。最後に、家でも器具を使ったトレーニングが出来るよう、腹筋が鍛えられる筋トレアイテムをご紹介します。
自宅で使える懸垂マシンになります。ディップスバーを握る事で、レッグレイズトレーニングに取り組む事が出来、腹直筋や腹斜筋に効果的です。そのほか、チンニングやディップスで背筋や上腕筋、大胸筋も鍛えられます。
膝を上げる動きで、腹筋の上部から下部までまんべんなく鍛えられる腹筋マシーンです。動作は膝を上げてから元に戻すだけで、ツイスト運動も行えますので腹斜筋に刺激を与え、くびれにも効果的です。
インナーマッスルを鍛えらるアブローラーに使える腹筋ローラーです。ホイールは2つとも滑り止めが付いていますので、どんな場所で使っても安定してバランスを取りながらトレーニングができます。
腹筋を鍛える、と一言で言っても、実際に鍛えるとなれば、腹直筋と腹斜筋、腹横筋という、腹筋を構成している3つの筋肉をバランスよく強化する必要があります。 腹直筋や腹斜筋は表面的、腹横筋は深部にあり、それぞれでアプローチの仕方が異なります。これらに合わせたトレーニングを実践する事で、理想的なシックスパックやくびれを手に入れられますから、ぜひ実践してみてください。