この記事では、50mを速く走るために必要な3つのポイントと3種類の練習方法を解説しています。また、世界記録や日本記録など、50mに関する情報も掲載しています。小学生や中学生はもちろん、陸上競技を始めたばかりの方は、50m走の知識がないことでしょう。まずは、この記事を読んで50m走の基本的な知識を知り、それを実践してみてください。ポイントを理解して、意識して練習すれば、きっとタイムも伸びるはずです。
50m走の平均タイムは、1964年から毎年実施されている「2016年体力・スポーツパフォーマンス調査」のデータを基にしており、50m走の平均タイムを比較するには非常に便利です。
小学校1年生から6年生までの男子全員の50m走の平均タイムは9.96秒で、年齢が上がるごとに0.4秒から6秒ずつ速くなっています。運動クラブに所属している生徒は、そうでない生徒に比べて、平均0.3〜0.4秒速いことがわかっています。 女子生徒の場合ではタイムの平均が10秒27です。男子と同様に、学年が上がるごとに平均タイムが0.3〜0.5秒ずつ速くなっていきます。
また、部活をやっている学生は、やっていない学生に比べて、平均0.3〜0.4秒速いという結果が出ています。 中学校に上がると、1年生から3年生までの男子全員の平均時間は7.89秒になります。部活動を始めると、運動クラブや校外でスポーツクラブに所属している生徒は、そうでない生徒に比べて、平均タイムが約0.3秒向上します。
一方、中学1年から3年までの全女子の50m平均タイムは8.74秒となっています。女子の場合、運動クラブに入っている生徒と入っていない生徒の平均タイムの差は、男子よりも大きくなっています。 高校1年生から高校3年生までの男子の50mの平均タイムは7.31秒です。
中学よりも高校の方が部活での練習の質や量が多いためか、運動部に所属している生徒とそうでない生徒の平均タイムの差が中学よりも大きくなっています。
一方、高校生の女子全体の平均タイムは8.89秒です。男子の平均時間は小学校から高校まで学年が上がるごとに順調に伸びていくのに対し、女子の平均時間は中学3年生でピークを迎えることが算出されています。
50mは陸上競技の正式種目ではありませんが、正式な世界記録があります。1996年、カナダのドノバン・ベイリーがマークした5秒56が50mが世界記録です。 実際には、アメリカのモーリス・グリーンが同じ5秒56を記録していますが、ドーピング検査が不十分なため、世界記録として認められていません。
2番目の記録は、1999年にナイジェリアのデジ・アリューが出した5秒61です。 また、女子50mの世界記録も見てみましょう。世界記録は、1995年にイリーナ・プリワロワ選手(ロシア)が記録した5.96秒で、女子では唯一の5秒台の記録です。100mの世界記録保持者であるウサイン・ボルトは、50m通過タイムでは5.47秒の最速記録を持っています。
次に、50mの日本記録を見てみましょう。男子50mの日本記録は、2002年、日本を代表する短距離ランナー、浅原義春選手がマークした5.75秒です。 浅原選手は100mの日本記録を3回更新しており、2008年の北京オリンピックでは4×100mリレーで銀メダルを獲得しています。
女子50mの日本記録は、1985年に小西恵美子選手が記録した6秒47ですが、今日に至るまでこの記録を破る選手は出ていません。 小西選手は、60mと100mの元日本記録保持者で、アジア大会やアジア選手権で金メダルを獲得していますが、オリンピックや世界選手権には出場したことがありません。
では、50m走を早く走るためのコツを見ていきましょう。ここでは四つのコツを紹介していきますが、これらのコツをまずはマスターすることで、タイムの向上を期待することができます。
50mの短距離走で秒数を縮めるためには、良いスタートが何よりも重要です。そのためには、自分がどちらの足で踏ん張るのかを知る必要があります。しかし、いざスタート地点に立つと、「どっちの足で踏ん張ればいいんだろう」と悩んでしまうこともあるでしょう。
どちらの足を使って踏ん張るかを知るためには、まず、腕立て伏せの体勢になって、その体勢から走り出してみましょう。この時に体を支えている足が 「踏ん張る足 」であり、スタートラインに立ったときに前に出る足です。
スタートで思いっきりダッシュするためには、前足で地面を思いっきり蹴って飛び出しましょう。サッカーをしている子どもの場合、ボールを蹴るときに使う足が「踏ん張る足」であることが多いです。 とはいえ、踏ん張る足を決めているだけでは不十分です。そこで有効な方法が、まず踏ん張る足を前に出した状態で、友達と押し合いをしてみましょう。
一人で練習するときは、壁を使ってもいいでしょう。 この時、ひざの角度を確認しながらやってみましょう。走り幅跳びをするときにひざが沈んでいる状態を想像してみてください。スタートダッシュする時には、ひざをその角度にしてスタート地点に立ちます。
50m走で良い走りをするためには、終始姿勢を意識する必要があります。まずは、基本姿勢を正しましょう。ランナーの基本姿勢は前傾姿勢です。 次に腕の振り方です。一般的な腕の振り方は、腕を90度に構えてまっすぐ振ることと言われますが、常に90度を保つということではなく、腕を振ることの意味と効果を意識しながら、タイムの向上を助けてくれる腕振りのコツを身につけていきましょう。
また、ひざの上げ方も大切です。走るときには、ひざがおへそのあたりまで来るようにします。そのコツは、足首の位置にあります。蹴っている足の足首が、地面に接している足のひざの横にくるようにします。 そうすると、自然とひざがおへその高さまで上がってきます。姿勢にも気を配ることが大切です。ひざを意識しすぎて背中を曲げてしまわないようにしましょう。
スピード維持局面も短距離走でタイムを伸ばすためには大切な要素です。スピード曲線では、スタートから加速して最高速度に達した後、ゴールに近づくにつれてゆっくりと下がっていきます。これが減速期で、疲労によって徐々にスピードが落ちていきます。
短距離レースの後半を速く走るためには、この減速期にいかにスピードを落とさないかがポイントになります。トップスピードを維持するためには、体力をつけることが必要です。陸上競技の短距離選手は、みんな体力があり、筋肉が発達しているのはそのためです。
それでは、実際に50m走で早くなるためには、どのような方法で練習すれば良いのでしょうか。ここでは、スタートダッシュ、フォームの確認、筋肉を強化するという三つに絞って考えてみましょう。
50mを速く走るには、スタートが肝心です。スタートダッシュが勝負の分かれ目といっても過言ではありません。小学校、中学校、高校の50m走は、ほとんどがスタンディングスタートで行われます。 良いスタンディングスタートと悪いスタンディングスタートでは、結果に大きな違いがでます。また、学校のグラウンドは砂で滑りやすいので、グラウンドに慣れることも大切です。
走るのが速い人と遅い人の違いは、もちろん生まれ持った身体能力によるものですが、ランニングフォームの基本を知っておくことも大切です。 走っている時に、膝を下げるよう意識すること、つま先を上げること、姿勢を真っ直ぐにして走ること、などの点を実践すれば、短期間で走りを改善することができます。
足を速くするためには、まず、足の速さに影響を与える筋肉を研究する必要があります。足の速さに影響を与えるのは、「肩周りの筋肉」「腰周りの筋肉」「太ももの筋肉」「ふくらはぎの筋肉」の4つです。 ランニングや短距離走では、この4つの筋肉エリアがすべて重要になりますので、こうした筋肉を強化するためのトレーニングも行いましょう。
それでは、実際に50m走を速く走れるように、子供たちのトレーニングに役立つグッズを紹介していきます。運動会や試合前にこうしたグッズを活用してトレーニングすることで、短距離走の実力をつけてあげましょう。
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本書には、スキップ、縄跳び、けんけん走りといった練習を含む、28のドリルが収録されています。ドリルを繰り返し練習することで、より速く、より自然に走れるようになります。 教科書に載っているような専門用語や筋肉の動きではなく、「やってみて学ぶ」ことに重点が置かれています。子供向けのメニューには、運動会の3週間前から始められる練習メニューのほか、弱点別の対処法も解説されています。
子どもから大人まで、使用する方の身長に合わせてマス目の幅を調整することで、同じ動きでも難易度を上げたり、トレーニングの種類を変えたりすることができます。ラダー本体は軽量で、コンパクトな収納袋にすっきりと収納できるので、練習場への持ち運びにも便利です。
50mを速く走るために必要な3つのポイントと3種類の練習方法を解説しましたが、いかがでしたか?早く走れるようになるためには、まずは50m走の本質を理解することです。そうすれば、記録を伸ばすコツを掴むことができるでしょう。ぜひ当記事で紹介した練習方法を試してタイムを伸ばしましょう。